1985/08/09
ピーウィーの繰り広げる「大冒険」はロードショーである。こうしたロードショーは全て、一貫した物語を作り出すために問題を抱えている。この映画の場合、たった一人の人間が旅をするという話なのでその人の人間関係を発展させていくことにより成し遂げられた。この種の映画には・・・・・が挙げられ、これらは概して二人以上の登場人物に焦点が当てられ、彼らの人間関係の発展や道中の体験が語られる。
たった一人の人間の旅の映画の例は比較的少ないが、そうした旅行はたいてい主人公の性格や身体的特徴に変化が見られたり、精神的な成長に焦点が当てられたりする。近年の『JAY AND SILENT BOB STRIKE BACK』はピーウィーに大変似ている映画だが(映画撮影所の追いかけっこまであり、同じギャグが沢山使われ、赤い自転車も登場する)、この中でもケヴィン・スミスの過去の四つの映画によく出てきている主役のジェイ、は映画が終わる頃には見分けがつく程変わっている。
しかしながらピーウィーは経験によって影響されることはない様で、多種多様な友人が増えていくだけである。「映画スター」になったという事実さえも彼を動じさせない。ドライブインにドティーと行ったとしても、彼女が望んでいるような関係になることをピーウィーが承知したとは言えない。結局彼が最も愛しているのは自転車なのだ。彼の旅は彼の人生に単なる余興を少しばかりもたらしたに過ぎない。朝御飯の習慣に見出す彼の喜びを考えても、彼にとってそんなものは人生の中で大事とは言えない。ピーウィーにとって人生とはただの不連続な出来事の連続で、自転車を失ったことに対する度を越した分析をみれば、彼が何が大事で何が大事でないか判断できないという事が分かる。実はこの映画とその点よく似ている。
旅行というのは登場人物が目の当たりにする様々な状況を描くのに適している、特に即興コメディーから生まれた者にとって。つまり、ピーウィー・ハーマンにぴったりの形式だったのだ。